※本プレスリリースは、 中央大学、SBI FXトレード株式会社との共同発表です。
中央大学経済学部准教授の吉見 太洋は、外国為替証拠金取引(以下、FX)投資の収益性が、さまざまな投資家の属性にどのように依存するか、SBI FX トレード株式会社から提供を受けた口座レベルのデータを利用して検証しました。
口座レベルのデータを利用したFX 投資家の属性と収益性の関係に関する研究は、諸外国においていくつか存在しますが、日本にフォーカスした研究は多くありません。そこで本研究では、これまで先行研究で明らかにされてきたことが、日本のFX 投資家にも同様に当てはまるのかを検証しました。まず、二種類の収益性指標(取引成功率*1)と累積損益率*2))についてFX 投資家の属性との関係を検証しました。その結果、両方の収益性指標に対し、個人資産額、年齢等が正の影響を持つ一方、性別(男性が保有する口座であること)、年収、前回取引からの経過日数等が負の影響を持つことが明らかになりました。さらに、取引成功率は累積損益率に正の影響を持ちますが、この影響は男性よりも女性でより強く、また投資家の年齢が上がるほど強く、観察されました。この結果は、先行研究が指摘する「Learning about Ability の効果」(投資家としての素養の発見効果)が性別や年齢などの投資家の属性に依存していることを示唆しています。
本研究成果は、2024 (令和6) 年11 月 9 日開催の「日本金融学会中部部会2024(令和6)年度第1 回研究報告会」で発表されました。
注1 取引成功率 現在までの取引のうち、収益があがった取引の割合のこと 。
注2 累積損益率 観測日までの累積損益額が、初期証拠金残高と観測日までの累積入金金額に占める割合のこと。
詳細は、大学ホームページの「プレスリリース」をご覧ください。
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付記:
「口座レベルのデータを利用したFX投資家の属性と収益性の関係に関する研究は、~ 日本にフォーカスした研究は存在していません。」としていたところ、「口座レベルのデータを利用したFX投資家の属性と収益性の関係に関する研究は、~ 日本にフォーカスした研究は多くありません。」と訂正。
(2024年11月29日付)