2021.12.06

経済学部教授・佐々木創が、環境省主催の環境インフラ海外展開プラットフォーム年次総会で基調講演しました。 Professor So Sasaki (Faculty of Economics), delivered a keynote speech at the Annual Meeting of Japan Platform for Redesign: Sustanable Infrastracture (JPRSI) hosted by the Ministry of the Environment.

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本年8月4日に開催された環境インフラ海外展開プラットフォーム(JPRSI)の年次総会で、本学部の佐々木が「環境インフラ海外展開における戦略の重要性とJPRSIへの期待」と題して基調講演を担当しました。

JPRSIは、環境インフラの海外展開に取り組む我が国の民間企業等を総合的に後押しするため、2020年9月に環境省が設立した官民連携プラットフォームで、現在、419の会員企業・団体が登録しています(※1)。

基調講演の中で、中国の環境技術の輸出額や特許数では日本と同等以上の優位性を獲得しており、アジアへの関連環境産業の海外進出は同程度まで増えている、ことをこれまでの研究成果から報告しました(※2)。
その上で、日本側のシーズと対象国側のニーズのマッチングにおいて、サービス料金を負担するカスタマーとサービスや環境技術を利用するユーザーに対象国側のニーズを分けて検討することが実現可能性を評価する時に肝要となること、さらに、これまでの日本の関連補助調査事業において「学」を入れて、欧米のプロジェクトのように産学官で連携することで、継続性を担保し第3者評価が可能になるメリットを創出できることを明示しました(※3)。

基調講演の様子
パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションでは、シンガポールの水関連技術の海外展開は成功例といえるのか、という参加者からの問いに対し、シンガポール環境企業は政府系ファンドを利用しながら、相手国の既存の環境企業との競合を避けて友好的な買収や出資をして進出していることや、他方で必要な環境技術は敵対的な買収をしてでも獲得していることなど例示し(※4)、日本の環境企業の範となるのではないか、などを議論しました。

本報告は、科学研究費17H04722、20KK0299及び21K12370による成果の一部です。

(※1)環境インフラ海外展開プラットフォーム (oecc.or.jp)
(※2)例えば、日本の循環産業の国際競争力 (jst.go.jp)中央大学学術リポジトリ (nii.ac.jp)などがある。
(※3)日本の優れた環境技術は、なぜ海外で売れないのか?:オピニオン:Chuo Online : YOMIURI ONLINE(読売新聞)参入戦略に応じた自治体の果たすべき役割を参照。
(※4)アジア太平洋地域のメガ市場統合 (chuo-u.ac.jp) pp.191-208に所収。

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