循環型社会に向けた不用品の回収・選別・再流通のインフラを構築する株式会社ECOMMIT(本社:鹿児島県薩摩川内市、代表取締役CEO:川野 輝之氏)と経済学部教授 佐々木 創との産学連携研究の成果が、『環境経済・政策研究』*1に掲載されました。佐々木教授は㈱ECOMMIT顧問も務めています*2。
衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮したサステナブルファッションについての関心が世界的に高まっています。
EUでは繊維産業における人権や環境等への配慮に関する取組が進んでおり、日本においても経済産業省と環境省が2023年1月に「繊維製品における資源循環システム検討会」を立ち上げ同年9月に報告書*3を発表しています。
本稿では、日本国内で衣類の資源循環のサプライチェーンが完結していない中では、輸出先での適正なリユース・リサイクルを保証するトレーサビリティを確保した適正な衣類の国際資源循環が求められることを指摘しています。
その上で、㈱ECOMMITの国内外の取組を考察し,上記検討会で指摘された主要な課題に対応している先進的な取組を実施していることや、既に中国との国際資源循環においてCO2を削減できていること、今後タイを中心にトレーサビリティを確保した上で、現状の衣類の国際資源循環の先進的な取り組みから脱炭素の可能性を示しています。
本稿は、科学研究費(20KK0299)、SATREPS (JPMJSA1901)、環境研究総合推進費(S-19-2(2))の成果の一部を活用しています。
佐々木教授の研究にご関心をお持ちの方は、下記の記事もご覧ください。
「+C」researcher「産学官で循環経済をアジア圏で構築する」
*1)J-STAGE「環境経済・政策研究」2024 年 17 巻 2 号 p. 111-116
「環境論壇 脱炭素と両立する循環経済の構築 衣類の国際資源循環による脱炭素の可能性」
https://doi.org/10.14927/reeps.ron1702-012
※この論文のPDFは、上記URLからダウンロードできます。
*2)産学官連携プラットフォーム「+C」お知らせ
「経済学部教授 佐々木 創が資源循環のインフラを目指す株式会社ECOMMITの顧問に就任しました。」
https://plus-c.chuo-u.ac.jp/news/4499/
*3)「繊維製品における 資源循環システム検討会 報告書」(2023年9月28日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/resource_recycling/pdf/20230928_1.pdf